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企業と連携した理科授業に挑戦!

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松戸市立小金中学校は、2009年にパイロットスクールとして新設された。教育課程の工夫、校務の電子化や図書室の市民開放など、新たなことに挑戦し土台を作っていく学校だ。理科教員の櫻井先生は、2008年度から株式会社リバネスと連携した科学教室に挑戦している。トレーニングを受けた若手研究者が派遣され、DNAやタンパク質などをキーワードに、研究内容や科学と社会のつながりを知るプログラムを1年生全クラスに実施している。

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マイナスからのスタート

企業の授業を実施するにあたり、「予算をかけてまで必要か」など教員の中でプラスの意見は皆無だった。「でも実際に見て、ずいぶん印象が違うな、と思いました」と櫻井先生は言う。各班に1名ずつスタッフがつき、実験中は、DNAの仕組みはどのような研究で解明されたのか、実験操作にはどんな意味があるのか、班員の興味に合わせて話をしていく。「このスタイルはいいな、と思いました。全員が手を動かし、発言ができますし、何より研究者と実験をした、というのは彼らに特別な緊張感を与えたようです。」たった2回の授業だったが、生徒にも変化が見られた。「研究者に『君はスジがいいね』と言われて、理科を熱心にやるようになった子や、小さな変化も見逃すまいと実験中必死に観察をするようになった子もいます。1年たっても講師の名前をしっかりと覚えている子もいます。それくらい、インパクトがあるということですよね。」

丸投げではなく、コラボレーション

「初めはアウトソーシングというイメージでスタートしたのですが、実施してみて、コラボレーションに変化しました」と櫻井先生は言う。昨年から、事前に教員向けに行っていた説明会を、「研修会」に位置づけを変えた。企業スタッフと共に、授業中に教員ができる支援内容を書き加えた授業案を作成し、授業に関わるすべての教員に、授業の主旨や実験内容、支援のポイントなどを紹介してもらった。事前の経験や知識があれば、生徒を支援し、生徒に合った声かけができる。普段の授業内容や生徒を理解している教員も参加することで、より価値のある授業になってきたのだ。

企業の授業は学びへの意欲作り

「企業の教室は、知識を定着させていく授業とはまったく違うものでいいと思います」と櫻井先生は言う。昨年度、ホタルの光を用いて酵素タンパク質の仕組みを学ぶカリキュラムでは、ちょうどGFPがノーベル賞を取った翌日が授業だったため、GFPの光とホタルの光の違いについても講師に紹介してもらった。ニュースや社会の中で活かされている技術や最先端の話をどんどん紹介し、「え?!何それ知らない!」という驚きを子どもたちに与えてほしい、と櫻井先生は考えている。「企業の授業で興味を持ったことを理科の学習内容にどうつなげていくかが、教員の腕の見せどころだと思います。これからも一歩先を行く挑戦をして、いい形を見つけていきたいです」と力強く語る。

matsudo

 

 

(「教育応援プロジェクト」vol.03 2009.09 より)

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