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大学生から高校生へ、実験教室を通した人材育成の実践

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三洋電機株式会社 CSR 部 平田勇人さん

「今までで一番おもしろい授業でした」。実験教室に参加した高校生のひとりは、多くの驚きと発見があったことを実験教室実施後のアンケートに書き記した。この実験教室は、大学生・大学院生が高校生に太陽電池の魅力を伝えるというもの。未来の技術を創りだす人材を育てるために三洋電機が行った新たな取り組みだ。

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写真/環境技術実験教室を担当した、三洋電機CSR部の小島さん(左)、金井さん(中央)、平田さん(右)

学校教育に参加する意義

「国際教育到達度評価学会(本部・アムステルダム)が発表した「国際数学・理科教育動向調査」では、日本の小中学生は数学・理科で5 位以内に入ったものの、中学生の学習意欲の面では最低 水準でした。これは企業にとってはジャブを打たれ続けるかのように、近い将来の研究開発に響いてくるパンチなのです」。
三洋電機株式会社CSR 部の平田勇人さんは語る。理科離れは、理工系に進む学生の減少、そして企業技術者の減少へとつながり、最終的には企業の技術競争力の弱体化を引き起こす。そんな状況を食い止めようと、同社では2006 年から2008 年3 月までに133 校の小学校で出前授業を開催し、1 万人以上の子どもたちに環境教育を行っている。そして今年度からはさらに取り組みを拡大し、インターンシップに参加した大学の理系学生が高校生に太陽電池の魅力を伝える実験教室を企画・実施するという、これまでにないスタイルの環境教育をスタートさせたのだ。

太陽電池に興味を持たせる

「この中で、光を当てて電気を作ることができるものはどれだと思う?」班に1人ずつ参加する理系大学生のサポートのもと、プラスチックコップ、LED(発光ダイオード)、銀紙、太陽電池パネルなど、机に並ぶ1つ1つの機材にランプで光を当てて実験を行う生徒たち。LEDに光を当てた瞬間、電流計が数μAの値を示す結果に目を丸くする。用意された様々な機材の中で、電流が流れた太陽電池とLED、この2つに共通するものは何なのか。そんな問いかけに、生徒は今まで当たり前だと思っていた、太陽電池が電気を生み出す「仕組み」に興味を抱く。単に太陽電池を使って機械を動かす工作プログラムではなく、光が電気に変わる原理を学ぶ実験や理系学生との交流を通して、太陽電池の仕組みや環境問題との関わりについて詳しく知ることができるのが三洋電機の実験教室の特長だ。

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活動の場所を関西へ

初めての試みとなった2008年度は、関東圏の9 校の学校で実験教室を開催し197名の生徒が参加した。2009年度は、舞台を関西に移し、関西圏の理系学生たちとともに、太陽電池の魅力を伝え る実験教室を開催するという。 「個人的な話ですが、私は自分の子どもが私と同じ41歳になったとき、地球がどうなっているのかに関心があります。つらい思いはさせたくないのが正直な親心です。環境技術の高い電機メーカーで働いているのだから、我が子のため、未来の子どもたちのために役に立ちたいというのも仕事人として正直なところです」と平田さんは言う。企業、学校、大学という垣根を越えて、地域の教育活動を推進していく力の源が垣間見えた瞬間だった。

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(「教育応援プロジェクト」vol.01 2009.2号より)

 

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