社員と子どもたち、
一緒にコミュニケーションの未来を考えたい
富士ゼロックス株式会社
富士ゼロックス株式会社は、デジタル複合機やレーザープリンターなどを中心として、世界に事業展開している企業です。時代の変化とともに、情報の流通は従来の「紙」から「デジタルメディア」に進化し、これらの多様なコンテンツを活用してお客様の課題を解決するソリューションやサービスへと事業を変化させてきた同社では、次の時代にグローバル規模で「コミュニケーションを促進するためのIT技術の活用」を目指しています。この新しいテーマに、教育現場と一緒に取り組んでいきたいと考えています。
私たちが今、最もやりたいと考えていることは、「技術を使って人と人とのコミュニケーションを促進していくこと」です。今までの考え方では、人の生活を便利にするため、できるだけ機械に任せて人が関与しなくても済むサービスを考えてきました。しかし、変化のスピードが早いこれからの時代に大事になってくるのは「人を中心とした技術」です。その技術によって人々のコミュニケーションが促進され、新たな知を生み出していく、そこに大きく貢献するのが「ICT(Information and Communication Technology)」なのです。私たちは研究所で働く環境そのものを実験台にして、会議で人がどう会話しているのかをデバイスを使って定量化したり、これまでにインターネットで検索できなかった画像やテキスト、人などを検索できるようにしたり、ICTの新しい活用の仕方を模索中です。
今年、私たちの蓄積してきたICTの活用の仕方を子どもたちに体験してもらい、良いコミュニケーションとは何かについて一緒に考える情報教育活動を立ち上げることにしました。私たち自身、異なる専門の人たちの意見を取り入れたり、自分で新しいアイデアを発想して社内外に伝えたりと、ビジネスの現場でコミュニケーションは非常に重要なスキルだと考えています。その重要性と技術によって広がる可能性を、次世代を担う子どもたちにも実感してもらいたい、と考えています。この教室は研究所の若手の研究員約10名に参加してもらいます。部署も仕事も異なる研究員が集まって、子どもたちのことを一生懸命考えながら最先端の技術について紹介させていただくこの活動は、研究員にとっても、普段接することのない人たちとのコミュニケーションの貴重な機会です。大人と子どもが混ざって良いコミュニケーションとは何か、そのための技術とは何かについて一緒に考える。両者にとっての学びの場としていきたいですね。
(「教育応援」vol.16 2012.12より)